パリ滞在中に、パリ郊外に住む日本人の友達を訪ねました。
彼女は、フランスにいる彼の元へ行って一緒に暮らし、
1年半後に結婚し、
まもなく子供が生まれるという状態でしたので、
外で会わずに、家を訪ねたわけです。
郊外電車は乗ったことがありますが、
駅から遠いと場所わかるかな?と心配していたら、
フランス人の友人と住んでいる所が近いことがわかったので、
車で連れて行ってもらうことにしました。
高速道路の出口から近いと聞いたので、
高速を出たらすぐに彼女に電話をしました。
「高速出たよ。どう行くの?」
「あのね、まだ家に帰ってないんだけど、
緑のガソリンスタンドの近くなんよ。
え〜っと右側になるのかな・・・」
「あっ、今通りすぎた?どうしよう」
「いや〜私もよくわからへんねん。
運転しないし・・・
(電話の向こうで会話が聞こえる)ちょっと彼に代わるわ。
説明の仕方がわからないから」
「ちょっと待って!
そしたら、車を止めてもらって、
こっちも電話、代わってもらうから。
じゃないとわかんないよ、私も」
というわけで、電話は男性同士になりました。
「電話代わりました。説明お願いします」とか
「meiの友達ですけど・・・」とか
日本で同じ場面ならこんな会話でしょうか?
けれども、初対面(まだ対面していないが)のふたりがまず交わした言葉は、
ちょっと違った。
「こんにちは。僕はフランソワです」
「はじめまして、僕はピエールです」という感じなのです。
まあ、何も変ではないのですが、礼儀正しい感じが何故かおかしい。
小さなアパルトマンで暮らしてきたふたりは、
来月引越しするとのことで、
彼の方は仕事そっちのけで、
新しい家の内装工事にかかっているのだそう。
といっても、大工さんではありません。
新築ではなく、内装だけを変えるらしいのですが、
フランスでは自分たちの手で内装などの工事をするのは普通で、
キッチンシステムの入れ替えや壁の塗り替えも自らする人が多いのです。
一緒に住んでいると会話が上達すると言われますが、
ほんとにその通りで、
多少でもフランス語を習った彼女だけでなく、
彼の方も日本語が少しわかるようでした。
それも、「ピエールはアホやから」と彼女が言うと
すかさず「pas アホ、アホじゃない!」という風に
日仏語交じりで返ってきます。面白い会話!
そして、彼女が「彼は、毎日母親に電話をして話し込むマザコンなのよ」というと、
「C'est normal(それが普通だ)」と言います。
おまけに、フランス人の男はみんなマザコンだよ!と。
「え〜っ!!ほんと〜!!」と大きな声を出す日本人の私達。
日本語の全くわからない私の友人が首をかしげているので、
説明をしてもらうと「そうだよ。もちろん、僕もマザコンだよ」と
平気な顔で言うのです。
日本では、三大悪に入りそうなマザコンもフランスでは大きな顔をしているようです。
自立心の強いフランス人のイメージからは、
ちょっと想像していなかったショッキングなお話でした。
2004年06月20日
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