やはり、観光名所のある駅は危ないんだなと思い出すできごとがありました。
エッフェル塔に近いメトロの「トロカデロ」駅でのことです。
エッフェル塔に行くのなら地図で確かめる必要などなく、
人の流れに沿って歩けばよいのですが、
私の目的地は別の場所でした。
パリ日本文化会館、
一度行ったことはあったのですが随分前だったし、
結構暑い日で疲れていたから、
迷わず行くために確かめようなんて思ったのが間違い。
あろうことか、駅の改札を出たところにある地図を見ていました。
旅も終わりに近づき、疲れが顔に出ていたこともあったかもしれません。
思い出したら、ぼんやりと立っていたように思います。
ふと、すぐ横に人の気配を感じました。
満員電車でもない場所で、あんな至近距離に人の気配を感じると、
気味が悪いものです。
ハッとして自分の右側を見ると、
小学校高学年くらいの少女が触れそうに近くに立っていました。
生気のない表情で、うつろに私を見ているその目をみてぞっとする!と同時に、
少女の手が私の肩からかけたバックのファスナーにかかっているのを見た!
のです。
一瞬に、心臓に何か刺さったような、ひやっとした感じがして、
思わず身を引きました。
ファスナーをさわると開いてはいません。
背中がゾクッとして、冷や汗が出ていました。
心臓の音が聞こえそうなくらいドキドキと鼓動が早くなっているのを感じながら、
もう一度少女の方を見ると、もうどこにもいません。
走り去った気配もなかったのですが、一瞬で消えるようにいなくなっていたのです。
念のため、中を調べましたが、何もなくなってはいませんでした。
財布などは、中のファスナーポケットに入れていますが、
もう一瞬気づくのが遅かったらと思うだけで、
心臓の音は10数分も耳のそばから離れませんでした。
そして、少女の無表情な生気のないうつろな目が頭から離れず、
その日は、ぞーっとした気分のままでした。
今でも思い出します。
スリにあわないためには、
観光名所の駅で、立ち止まって地図を見たりしないこと。
地下鉄のどの駅の構内でも人通りの多い道でも、
立ち止まって長い間地図を見ていたりするのは危険です。
観光客だとわかると狙われます。
観光客は、お金を持っていて、土地勘がなく、
気分はハイになっていて、身体は疲れているから、スリの格好の標的です。
そんなこともちゃんとわかっていて、
口の閉まらないバックは買わないくらい気をつけているはずの私でも、
ついうっかりってことがあるので、皆さんも気をつけてくださいね。
バックのファスナーを閉めておくことなどは、
基本中の基本、最近は日本でも危ないですから。
特に複数人数でいる場合は危険。
今回のシチュエーションでも、他の人と話しながら地図を見ていたとしたら、
気づくのが遅れて盗られていたかもしれません。
そこそこに旅慣れているつもりだったのですが、
少しの気の緩みと疲れがスリにはちゃんとわかるのですね。
こんな怖い思いは初めてでした。
2004年08月08日
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私は苦い思い出があります。17年前、パリの地下鉄でスリに遭いました。地下鉄に乗車した瞬間足が動かなくなりました。前に男が立ちはだかっています。次の瞬間扉が閉まり、同時に彼らは立ち去っていました。何が起こったのかわかりません。一呼吸して掏られたことに気がつきました。2人組(たぶん)で一人はポケットから財布を抜き取り、もう一人は私の足首を押さえる役でした。観光疲れでぼーっとしていたのですね。ショックでその夜はショーにも行かず、ホテルでじっとしていました。帰国してから財布代が保険で還って来ましたが、腹立たしさは今も続いています。
参考になりますか?
コメントありがとうございます。
足首を押さえられるなんて、怖いですね!
スリというのは、やることが素早いから、気づいたときには・・・・となってしまいますね。
それに、スリは二人組みも多いようです。
私も別の機会に、友達と二人で歩いていたら、前から男が、道を訊いてきました。言葉が良く聞き取れず、その人に注意を向けていたら、後ろから来た男が友達のかばんに手をかけていたのです!
友達が気づき、男を見て「何するの!」と、かばんをぐっと引き寄せたら、男はすっと離れました。前を見たら、道を訊いた男も消えていました。
いずれも未遂で済んでほっとしました。
morimotoさんは、ほんとに盗られてしまわれたんですね。ほんとに腹立たしいですよね!財布代はかえってきても、中に入っていたお金は保障されないんですよね?悔しい〜〜!!